名無しの日々徒然ブログ

何気ない日々の日記

死に体

働き盛りの頃、無理をした。
俗に言うブラック
其れなりに名前の通った会社だった。端から見るときっと誰もそんな企業には思わないだろうね。
でも実際は24時間働いていた。
体は蝕まれ、気力も無くなり気が付くと自殺未遂をしていた。
それでも妻は毎日毎日僕を「役立たず」と罵った。もう夫婦では無かった。
そして妻と子供達は病んだ僕を残し去っていった。
夫婦や家族って実際はそんなものなんだなと実感した。
会社にも棄てられ家族も失った。

このまま死ぬのかなって思った。
ずっと動けず腐ってウジがわいているような肉体になりグチャグチャな泥のなかをさ迷った。

家のローンとイロイロな税金がのし掛かっていた。
二年間のたうち回り市と銀行からの督促状の山ができていた。

夜月夜の灯りの中で膝を抱えているとき、自分がもうこれ以上堕ちるところがない事に気が付いた。
そのまま歩いて5分の所にあるスーパーに置いてある仕事探しのフリーペーパーを取りに行った。
何でもいいからアルバイトしようと思った。アルバイトは直ぐに見つかった。
病気には良くなかったけど無理せず少しづつ働いた。
本当にユックリだけどだんだん体も心も回復してきた。約一年後にはバイトを掛け持ちもしていた。少しづつ借金も減らした。
そして就職をしようと思えるようになりハローワークに向かった。
元々の専門職の求人が偶然あり面接をして直ぐに来てほしいと言われた。
働いていて直ぐに勘は戻った。不思議だね技術は全く落ちていなかった。
二日働いたその日に正社員になって欲しいと言われた。

そして今に至る。
もう大昔の話。

一度もう゛死に体゛になった人間だ。
いつでも開き直れた。
恋ももうすることは無いと思っていた。
でもまた切ない恋も出来た

アルバイトを始めてから今日まで自分と関わってくれた全ての人に感謝をもって生きていこう。
そして明日会う人に‼
そう全ての人に‼